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嘘つき 

前回のラ・ラビアータで触れた『だけど、くじけない 子どもたちからの元気便』の著者であり、カメラマンである長倉洋海さんの講演会が、地元・片瀬であるという情報をいただき、娘の汐里と一緒に参加してきた。
前々回の配達の際に、会員さんからのこの本を紹介され、そのことを前回のラ・ラビアータに掲載したら、その週末に地元の片瀬公民館で講演会があるというのだから、不思議な流れである。 
それまで長倉洋海さんのことを知る由も無く、ましてやその方が近所の公民館で講演会を開くなどという情報すら持ちえなかったのだから、不思議というしかないのだが、物事の道理はどうやらそういうものらしい。必要なものは、自然と必要な人の所に集まってくるようだ。
前回でも述べたが、その本の中に出てくる子どもたちの愛くるしい笑顔といったら、なんと表現したら良いのだろう。とても優しく、希望に満ちたその表情は、見ているこちらまで優しい気持ちにさせてくれるものだ。
そして、そんな表情を引き出し、写真におさめられたカメラマンである長倉洋海さんとはどんな人なんだろうというのが、この本を手にしたときの率直な感想だった。
少しだけでも、カメラをかじったことのある人ならおわかりだろうと思うが、同じ被写体を、同じカメラで、同じ露出で撮ったとしても、カメラマンによって出来上がり全く違ったものとなる。ましてや、今回の被写体は、被災した子どもたちだ。その子どもたちに、あれだけの表情を出させるカメラマンとは・・・。
小さな会場のなかに、整然と置かれたパイプ椅子。それに向き合うように会議用の長テーブルが1台置かれ、水が用意されている。その席に着く人がどんな人物なのだろうか、注意深く見守っていると、やがて1人の少々いかつい表情をした“おじさん”がその席に着いた。

思わず、隣に座る娘の汐里に『あの人が良く子どもたちの写真を撮れたな!?』と耳打ちすると、汐里も『私だったら、絶対あんな笑顔つくれない!!』と言った答えを返してきた。
開始の時間となり、長倉さんが話し始める。本に掲載された写真の子どもたちを、プロジェクターで投影しながら、その子どもたちにまつわる裏話をやさしく語っていく。その語り口は、子どもたちへの愛情と、尊敬の念であふれるものであった。
そして何より、シャッターを押すにあたり、子どもたちと同じ高さの目線に立ち、子どもたちに無理強いすることは決してなく、むしろ自分を撮ってほしいと言わせるまでの謙虚さを持ち合わせていたことが窺えた。
席に着いたときの第一印象は、きれいさっぱり消え去った。とても心やさしい人だった。そうでなければ、あのような写真が撮れるはずもないし、何より子どもたちがあんなに素晴らしい笑顔をカメラに向けられる訳が無い。
本のなかで、被災した子どもたちが『宝物は物ではない。人なんだ。』と訴えていた。そう、宝物は子どもたちなんだ。その子どもたちの未来を、夢を、笑顔を壊してはいけない。そのために、自分は何ができるだろうか。特別なことなど、何一つなくていい。子どもたちと心と心で向かい合い、嘘偽りなく、正直でいること、それだけでいい。子どもたちから、嘘つきと言われないように・・・。
そういう大人でいることが、どんなに難しいことか、きれいごとだけでは渡り合って行けない世の中であることを、残念ながら経験してしまった。だからこそ、もう一度、子どもたちと正面から向き合いたいと思わせてくれた『だけど、くじけない 子どもたちからの元気便』であった。
その横で、野田総理が大飯原発再稼動に向けた会見が、TVから流れていた。
- 高 志 -

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