FC2ブログ

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

傷 跡 

昨年秋に出された天候に関する長期予報では、暖冬になる見込みだったこの冬。いざ、冬に突入してみると、『観測史上・・・』だの『統計後最も・・・』などといった枕詞がつくほどの厳しい寒さと雪の多い、そしてそれらが長く続いた冬であった。
そんな冬にもようやくお別れの時期が来たようだ。春の到来といいつつも、首都圏には春一番さえ吹かなかったのだから、まだまだぶりかえしがあるのかもしれないが、それでも梅が満開となり、桜の開花宣言もちらほら聞こえはじめているので、新年度を迎え、新たな門出にたつ人々を祝うかのごとく桜も満開となりそうである。
昨春は大震災の影響で、心から春を感じることはなかったが、あれから1年がたったこの春はその頃に比べて、幾分穏やかな気持ちでこの時を迎えられている。
それでも、まだまだ震災の傷跡が、水の里界隈でさえ今なお残っているのが現状だ。昨年暮れに白河から羽鳥湖に抜ける街道が復旧した。その街道は、地震の影響で山が崩れ、道路が土砂で埋まってしまい、10ヶ月もの間通行止めを余儀なくされたのだった。
僕もオンシーズンにはメインルートとして活用していたが、震災以降は迂回路を活用せざるを得ず、またオフシーズン、すなわち積雪があるシーズンでは、この迂回路のほうが道幅が広く、除雪が行き届いているため、以前から活用していたのでそれほど不便を感じることはなかった。
春の知らせとともに、路面の雪が消えたのを確認したので、1年余りぶりに白河街道を通行してみた。復旧したとはいえ、依然片側通行の箇所が1kmほどの長さもあり、待ち時間が最大15分に及ぶこともあるようであった。路面のヒビ割れもあちこちに残されており、どうにか通行可能になったという程度の回復状況だ。『まだ当分、迂回路を通るしかないな』というのが、率直な感想だ。

これまた地震の影響で、脆弱になった羽鳥湖のダムが、5月の連休辺りには復旧作業が終了するらしい。このダムから流れでる水がメインとなって、水の里を横断する一級河川を形成しているのだが、その復旧作業を時折監視していた村おさ・長さんによると、いわゆる『やっつけ仕事』というレベルの作業らしく、これからやってくる台風シーズンなどにより、まとまった雨が観測されるような場合には、ダムが崩壊してしまうのではないかと危惧している。そうなると、すなわち『山津波』が発生して、河川流域に幾重にも連なる村落が次々と濁流に飲まれ、壊滅してしまうというのだ。
『まとまった雨が来るようなときは俺は避難すっから、阿部ちゃんも肝に銘じて置いたほうがいいぞ』と何とも、おどろおどろしい助言をいただいたが、事実、近隣の藤沼湖は昨年の地震でダムが崩壊し、『山津波』が起こって流域の村落が全滅してしまった。湖や村の規模がさほど大きくなく、そのことについては首都圏ではほとんど報じられることはなかったが、ダムの強度は羽鳥湖のそれよりもあったようなので、村おさ・長さんの心配する気持ちも大げさとは言い切れないものを感じてしまう。もし、こんなことが起こったら、それはまさしく人災なのだろう。
もちろん自然相手のものだから、これで大丈夫というものはないのだろうが、このままでは危ないと指摘されつつも、そのまま押し通されてしまうというのは、人としていかがなものなのだろうか。それは、この羽鳥湖のダムに限らず、様々なことに当てはまるような気がしてならない。
『想定外』、この言葉を震災以降、何度耳にしてきたことだろう。自然を相手によくもまあ想い定めることなどできるものだと呆れてしまうが、『想定内』にあえて目を瞑って、わざわざ『想定外』に作り上げてはいないか、今いちど自分の心に問いかけてみなければならないと、強く思わされた今回のお水採りであった。

スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://moribus.blog68.fc2.com/tb.php/72-65a353ec

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。