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愛水心 

《 愛水心 》

ここ東京近郊では、そろそろ八重桜も見納めかという頃になって、ようやく白河周辺で染井吉野の見頃を迎えた。水の里に通うようになって、この桜の北上を知ることとなったのだが、今年もまた、ゆっくりと、1ヶ月ほどのときをかけて、桜の花をめでる事ができた。それでもまだ、水の里のつぼみは固いままなので、もう少し見られそうである。
日中の陽射しは暖かい水の里だが、ひとたび雲にかくれたり北風が吹いたら、そこはやっぱり山の上。途端に首をすくめて背中を丸め、寒い、寒いと愚痴をこぼすのである。
ようやく味噌の仕込みが終わったと、笑顔で迎えてくれた山のお母さんが、2、3日前には除雪車が通ったほどの雪が降ったと教えてくれた。いつまでも冬の名残りが消えない水の里だから、たらの芽までも躊躇して膨らまないでいる。前のおじいちゃんが大切に育てているたらの木の先っぽを見つめながら、『今年は遅いな!?』と2人でぼやいてみた。

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日本の香り 

《 日本の香り 》

4月も中旬を迎え、ようやく水の里にも春がやってきた。まだ山肌には所々に白い斑点を残しているが、雪後からふきのとうが顔を出し、山菜シーズンの幕開けを知らせてくれた。
そしてなにより、冬期休業中であった村おさ・長さんのお店である“東北釣堀苑”もオープンである。山のお母さんとも、正月以来の再会を果たし、長く厳しかった冬の終わりを確認しあった。愛犬“ラッキー”もはしゃいでいるようだ。
お店のオープンと春の陽気に誘われて、早速お店の常連さんが顔を出しに来る。そのなかでひときわ歓迎を受けていたのが、7年ぶりのご来店となったある中年夫婦であった。以前は週に一度はお店に顔を出すほどの常連さんだったそうだが、勤務先の会社がタイに進出するのに伴い、現地法人のゼネラルマネジャーとして赴任してしまったため、なかなか“東北釣堀苑”に顔を出せないでいたのが、今年ようやく休暇が採れ、真っ先にお店に飛んできたということだった。
平日であったこともあり、ご来店されたときには、村おさ・長さんは山へ木を切りに、お母さんは畑仕事に出ている最中であった。その日、めずらしく村おさ・長さんがスムースに木が切れないと仕事も途中で切り上げてお店に戻ってきたときは、その常連さんが村おさ・長さんもお母さんもいないと右往左往していたまさにその時であった。『虫の知らせとは、まさにこういうことを言うんだなあ!?』と村おさ・長さんは不思議がっていたが、きっと、その常連さんの村おさ・長さんとお母さんに会いたいと言う強い気持ちが伝わったのだろう。

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矛 盾 

《 矛 盾 》

桜の開花宣言とともに、本格的な春の訪れを感じていた。1年ぶりに、お水の会員さんに山菜セットをお届けできるのでは…と目論んだ、今回のお水取りだった。暖かい陽射しに恵まれ山肌の雪もだいぶ消えていた。森のバスの周辺では、白く残る一角を探す方が困難なほどだった。カーラジオから、北陸から北日本にかけての日本海沿岸に、マイナス36℃の寒気団が流れ込み大雪になる恐れなどという情報が流れてきてもピンとくる訳もない。夜になってもさほどの寒さではなく、布団に潜りこむと早々にストーブを消せるほどだった。
だが、翌朝になると頭まで被った布団から出られないほどの厳しい寒さが、森のバスを包みこんでいた。うっすらと明るくなり始めた窓の外を確認すると、あるはずのないつららが垂れ下がっている。通りを走るクルマの音が、心なしか静かなようだ。意を決して起き上がり、水の里の村の様子を見てみると、昨日までとは嘘のような白1色に染まっていた。『なんで?』正直な感想だ。しかし、吹雪が2日目となると『嘘だろ?』にかわり、ついには3日目まで続くと『いいかげんにしてよ!?』と捨てゼリフを吐いていた。

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