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時は過ぎゆくもの  

水の里の朝は早い。基本的に、どの家も農作業から1日が始まるので、日の出とともに村人の動き出す気配が感じられる。今なら、朝4時をまわった頃だろうか。
郷に入らば、郷に従えが鉄則だ。それに、これからの季節、日中は暑くて作業がきつくなるので、なるべく朝の気持ちの良い時間帯に作業をやっておくのも理に適っている。合理的に、気持ち良くを追求していくと、自然と朝が早くなるということなのだろう。
朝、7時半ころだったろうか。1台のクルマが村おさ・長さんのお店にやってきた。いくら朝が早い水の里とはいえ、こんな時間に村おさ・長さんのお店にお客さんが来るなんて異例のことだ。不思議に思って見ていると、山のお母さんの弟である“ひさし”さんが息子さんを伴ってクルマからおりてきた。なんでも、これからみんなで“たけのこ”採りに行くのだそうだ。間もなく村おさ・長さんたちもやって来ると言う。
そう、この春の天候不順で、例年よりも“たけのこ”の出が遅れているのだが、そろそろ見に行ってみるかということになって、みんなで行くことになったらしい。2年前の、オーガニック七菜オープンの日、つまり6/1に採れたての“たけのこ”を炭で焼いてみんなで食べたのだから、少なくともその時よりだいぶ遅れていることがわかる。
しばらくすると、“ひさし”さんの言った通りに、村おさ・長さんのクルマがお店にやってきた。すぐに山へ行く準備を始める面々。僕は、その結果を踏まえて、明日“たけのこ”採りにいくかどうか決めようと、お水採りを続けた。

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思いを胸に 

お盆のときのような賑わいだった。森のバスは、村おさ・長さんのお店である東北釣堀苑の臨時駐車場の一角にあるのだが、そこにまでクルマが駐車されていたのだ。水の里に通うようになって10年を過ぎたが、今までお盆以外でここに駐車されているのを見たことがない。何とも言いようのない不安な気持ちが、ふつふつと湧き上がってきた。
 ちょうどクルマ一台分が空いているのを確認し、そこにゆっくりと、慎重にクルマを停めた。辺りは徐々に薄暗くなりはじめていたので、より慎重になったのだが、それよりも不安な気持ちがそうさせたというのが真実だろうか。
 クルマをおりて、ふと目をやった。その先には、僕が水の里に通い出した頃、村の区長をされていた小山さんの家がある。村の区長は、持ち回りのため、定期的に変わるのだが、オフィス七菜チームはいまだに小山さんのことを、親しみを込めて区長と呼んでいる。その区長の家に、葬儀の飾りが施してあった。確認できたわけではない。ただ、おそらく“おばあちゃん”だということは覚悟できた。なんせここ2、3年は、いやそれ以上だろうか、おばあちゃんはリハビリの毎日だったのだから。
 クルマの荷物を森のバスのなかに運び終える頃には、すっかりと夜の闇に包まれていた。とりあえず、翌朝、村おさ・長さんたちが来るのを待って確認することにした。大勢の村人のなかにのこのこと出かけていって、『どなたが亡くなられたのですか』などと聞く気になれなかった。
 暗闇の中、小さな灯りひとつ点け、ひとりでバスの天井を眺めていると、まだ元気だったころのおばあちゃんがぼんやりと浮かび上がってきた。

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